暑さ・寒さ・騒音… 住んでから後悔しないための“室内環境”見える化
日本の住宅選びにおいて、部屋の暖かさや、静かさなどの室内環境については、実際に住んでみなければ分かりませんでした。『SUUMOリサーチセンター』が入居後の居住者にアンケートを取ると、「部屋が暑い・寒い」「近隣の生活音がうるさい」といった内容が不満として上位に挙がっており、生活者の知りたいニーズは顕在化しています。
『SUUMOリサーチセンター』では、実証実験として、温度や音などを測定できるIoTセンサーを住戸の室内と室外に設置し、遠隔で数日間の温度、騒音などのデータを取得しています。そのデータを分かりやすく見える化することで、該当住戸の室内環境の快適さが分かります。

パートナー企業との連携:断熱改修効果の実測
IoTセンサーを、パートナー企業が保有する中古マンションの住戸に設置し、室内外の温熱・音環境などを測定しています。これらの数値データは、住まい選びの新たな基準としても期待できます。
株式会社リクルートは、2023年に国土交通省「次世代住宅プロジェクト」第1回の協力事業者として採択され、リノベーション事業者様やハウスメーカー様と連携し、断熱改修効果の見える化を試みています。


共同研究による実証:アカデミアの知見と先進技術の融合
2017年から東京大学大学院 情報理工学系研究科・山崎研究室や北海道大学大学院工学研究院 建築都市部門 先端空間性能分野・建築材料学研究室、株式会社フューチャースタンダードと共同で、住宅の室内環境を定量的に評価する実証実験を実施しています。


定量的に評価した温熱指標を基に、室内温度シミュレーションを行うことができます。
関連リスト
- 2025年2月:『SUUMOリサーチセンター』、IoTセンサーで室内環境を数値化
- 2024年10月:省エネが、全ての人に嬉しい世界を実現したい。『SUUMOリサーチセンター』が、温熱・音環境計測に取り組む理由
- 2023年9月:「次世代住プロジェクト2023」の第1回採択事業者に採択されました(関連:日経BP令和5年度 第1回の結果 ススメ!次世代住宅)
- 2023年9月:夜間の室内外温度降下と粗視化仮定を用いた外皮平均熱貫流率の導出と評価に関する実験的検証, 河野 徳郎, 池本 洋一, 山崎 俊彦, 鳥海 哲史, 北垣 亮馬, 2023年度日本建築学会大会(近畿)学術講演会
- 2023年9月:IoTセンシングによる住宅の室内環境評価, 河野 徳郎, 池本 洋一, 北垣 亮馬, 鳥海 哲史, 山崎 俊彦, 第22回情報科学技術フォーラム(FIT2023)
- 2019年6月:IoTセンシングによる不動産物件の断熱・防音性能評価,山崎 俊彦, 大渕 友暉, 林 遠, 北垣 亮馬, 鳥海 哲史, 林 幹久, 酒井 藍, 芳賀 宣仁, 野村 眞平, 池本 洋一, 2019年度人工知能学会全国大会(第33回)