株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:北村 吉弘)の住まい領域の調査研究機関であるSUUMOリサーチセンターは、すべての人の自分らしい人生を応援するため「住まいの価値」を提言・実証する研究を進めております。今回は住まい探しの際に新しい街の魅力に気づくきっかけや、街を選択する際の参考になればと、「住んでいる街に住み続けたいか」という“継続居住意向”に関する実態調査を実施しました。上位の自治体や駅やその特徴傾向、街の魅力項目についてまとめましたのでご報告いたします。
今回の調査では、住み続けたい街の条件を探るために、街の魅力を35項目にわたって聴取。その結果、「街の住民がその街のことを好きそう」との関連が強いことが分かりました。また「街を好きそう」との関連を探ると、顔見知りができやすい、子育て、教育環境・防災・防犯といった「安心して暮らせる環境」と、個性的な店と、街に賑わいがあり、今後の発展期待がある「賑わいと街の発展性」が重要な要素であることが見えてきました。また街の新参者となりやすい、シングル層、20代、賃貸暮らし層が、他層と比べて、住み続けたい度が低い傾向も見えました。街の安心・安全を高めるとともに、街に新しくジョインする人が、自然と顔を合わせ、活動できる場づくりとその発信が重要と考えます。今回の上位自治体の武蔵野市、中央区、湘南エリア、代々木公園周辺などはまさにその点に秀でているように感じます。
SUUMOリサーチセンター長 兼
SUUMO編集長 池本洋一
住み続けたい街の上位には、都心部から、郊外中核都市、郊外ニュータウンなど、さまざまな顔ぶれがそろいました。地理的条件、開発時期や街づくりの計画性など、街の個性は一つ一つ異なります。本調査では、住民がその街に住み続けたいかどうかに加え、感じている街の魅力も伺い、住み続けたいと思う街に共通する魅力とは何かを表出したいと考えました。分析の結果、魅力項目35のうち「住み続けたい」に影響する要素は下記となりました。
街の住民に聞いた、街の魅力35項目のうち、「住み続けたい」と一番相関性が高かったのは、「街の住民がその街のことを好きそう」でした。日々暮らしている中で住民が街を好きでいる光景が浮かぶということは、日ごろからのコミュニケーション、街の中での何気ないふれあい、お祭り、公園や広場などでのイベントでそれを実感する場があるということでしょう。顔見知りが多ければ防災、防犯、子育てへの安心感にもつながります。
また「街の住民がその街のことを好きそう」のポイントが高かった街で、相関性が見られたのは、上記の11項目。「①暮らして感じる安心・安全」と「②街の賑わい、発展への期待」です。①は主に行政が提供する子育て環境、防犯・防災、など、日常の暮らしを安心して送るための基盤によるもの、②は街の賑わいや発展計画など、経済活動がけん引する将来への期待です。
シングル世帯、20代、賃貸や社宅・寮の住民で「住み続けたい度」が相対的に低くなっています。住民同士の関係性が薄いことが背景にありそうです 住み続けたい街であり続けるためには、街の新参者となりやすいシングル、若い世代、賃貸暮らし層を引きつける必要があります、街の安心・安全を高めるとともに、街に新しくジョインする人が自然と顔を合わせ、活動できる場づくりとその発信が重要と考えます。
自治体ランキングで1位の武蔵野市、2位の中央区(※中央区は駅ランキングでも東銀座、人形町、日本橋など多数の駅が上位にランクイン)4位の逗子、8位葉山、あるいは駅ランキングでトップ10に5駅が入った鵠沼・江ノ島エリアなどの湘南エリア、駅ランキングで上位の代々木公園周辺エリアなどは、歩いて楽しい街で、かつイベントやお祭り、もしくは自治活動が盛んで、街で人と知り合う機会に恵まれている街が上位に来ているといえるでしょう。
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「調査名/(株)リクルート調べ」
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SUUMOリサーチセンターは、SUUMOの調査研究機関として、住まいや暮らしについての調査、住まいの品質向上に向けた実証実験、テクノロジーの実態調査を行っています。業界に向けた提言や生活者に向けた発信によって、住まいの価値を高め、ひとりひとりにその価値が届くまでの伴走・支援をしています。リクルート住宅総研としての創立以来、約20年に渡って培ってきた住まいの検討者と不動産事業者に関する深い現場知見とSUUMOという国内最大級メディア運営に基づくデータに依拠した、実現できる未来を発信していきます。
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